いっぱいいっぱいになっているときは

仕事や家事、育児や介護など、日々やらなくてはいけないことでいっぱいいっぱいになっていたり、心配ごとや不安などがいつも頭から離れず、落ち着かない日々を送っていませんか。

そんなときはタスクを書き出し優先順位を整理してみるといった方法や、気持ちをノートに書き出したり人に話を聞いてもらうといった方法も有効かもしれません。

ですがそのようなときは、頭ばかりに意識が行ってその頭が暴走状態になっていることが多いのです。
暴走状態のまま解決策を考えたり行動しようとすると、さらに暴走がひどくなったり不安が増したりすることもあります。
ですので、まずはその暴走している頭を鎮めることが先決なのです。

頭の暴走を鎮めるために必要なのは、ほんの少しの時間、静かに自分の体に意識を向ける時間です。
「忙しいときにそんなことやっていられない」とか「面倒くさい」と思わずに、5分10分でもいいので体に意識を向けてみましょう。

体に意識を向ける方法は、自分がやりやすいもので大丈夫です。
ヨガやストレッチをしながら伸ばしている体の部位に意識を向けてみたり、ただ静かに座ったまま呼吸によって膨らむ胸やお腹を感じるのでもいいのです。
時間は5分と短くてもよいのですが、テレビを見ながらとかおしゃべりしながらとかではなく、静かにていねいに意識を向けてみましょう。

いざやってみるとすぐに体から意識が離れ、心配ごとややらなくてはいけないことなど、いろいろなことが頭に浮かんできますが、それが普通なので何も問題ありません。
浮かんできたら、気にせずまた伸ばしている体や膨らんでいるお腹に意識を戻すということを繰り返しましょう。
そうやって意識を体に向けることを繰り返したほんの5分の時間が、暴走している頭を鎮め気持ちを穏やかにしてくれます。

余裕があれば体に向けた意識を、空やまわりの木々、鳥や動物など生き物の様子にも広げ、ゆったりと感じてみましょう。
空はいつも広くのびのびとしていて、木や動物は急ぐことなく自分のペースで生きています。
自分もそんな自然の一部です。
毎日忙しくあれこれ考えたり動いたりしているときも、心臓をはじめ胃に腸、目や筋肉など、その細胞一つ一つが動いて生きています。

人は複雑な社会にいると不安や圧迫感を感じやすいものですが、「自分も自然の一部なのだ」と思い出すことができると、不思議とその不安や圧迫感がスーッと消えていきます。
実際の豊かな自然の中に身を置くことができればよいですが、そうでなくても自分自身も自然の一部なのだということを思い出せれば大丈夫です。

いっぱいいっぱいになっているときこそ、少し時間をとって体に意識を向けてみませんか。
その上で自分の状況について考えるならば、落ち着いた気持ちできっとよい対策を立てることができます。

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